【1000人に1人】おたふく風邪が原因で片耳難聴に(ムンプス難聴)

おたふく風邪の後遺症のムンプス難聴に要注意

おたふく風邪(ムンプス)は「だれでも一度はかかる」と軽く見られがちな病気だ。

しかし、後遺症で難聴を起こすことがある。

耳の不調を訴えても医師から「おたふく風邪が治ればよくなる」と誤った情報を伝えられるケースもあった。

最近の調査で、これまで考えられていた10倍ほどの疾患が確かめられた。

現状では治療法はなく、予防接種が唯一といっていい予防法だ。

患者らはムンプス難聴について「正しい知識が広がり、悲劇が一つでも減ってほしい」と訴える。

【ケース1】医師は「治る」と言ったが・・・

「また中耳炎?」

2年前、京都府内の保育園に通っていた長女が「耳が少し痛い」と言い出したため、母親(42)は耳鼻科に連れていった。

診断はおたふく風邪。

「聞こえにくい」という右耳を検査すると、聞こえ方にばらつきがあった。

しかし医師に「一時的に悪くなっても治っていくと思う。

おたふく風邪の難聴はこんなもんじゃない」と言われ、安心した。

耳下腺の腫れもなく、熱もすぐ下がった。

だが、2日後、「天井がぐるぐるする」と訴えた。

今度は小児科を受診、おたふく風邪のことを伝えたが、「様子を見ましょう」と言われた。

一週間後、めまいはなくなり、通園も再開した。

ところが、しばらくして、長女が電話の受話器を右耳に当てた時、異常に気づく。

「何も音がしないよ。」

母親は驚いて総合病院に駆け込んだが、「もう治らない」と告げられた。

長女は今、小学2年生。

元気に学校に通っているが、以前より疲れやすくなったという。

右側でクラクションが鳴っても、左耳でしか聞こえないから、つい車が走る右側によけてしまう。

友達に耳打ちされているのに知らん顔をしてけんかになったことも。

母親は「まさか難聴になるなん思っていなかった。

幼稚園に勤めていたこともあり、子供の病気のことはある程度知っていただけに悔しい。」と話した。

【ケース2】子供の看病で母が感染

奈良県内に住む主婦(40)は3年前の春、次男(6)からうつったおたふく風邪で難聴になった。

次男はアトピー性皮膚炎で夜もかゆがった。

そのため、次男がおたふく風邪にかかった時も、寄り添って看病を続けていた。

自分も熱が出て3日目の朝、左耳に殴られたような痛みを感じて目が覚めた。

耳鳴りもひどい。

近所の耳鼻科にかかると、医師は「難聴は治りませんが、片方の耳があるからいいでしょう」と話した。

「とりあえず点滴だけします。」と言い、ステロイド薬の治療を受けた。

効果はなかった。

めまいや吐き気にも苦しんだ。

「動く物や水玉模様を見ただけで気持ち悪くなって吐いてしまう。いつ吐き気が襲ってくるか分からないので、外出もままならない。そんな状態が1年も続きました。」

主婦は「おたふく風邪は子供の頃にやった」と思い込んでいた。

後で親に聞いたら思い違いだった。

「子供が、どんな病気や予防接種をしてきたのか、親はしっかり伝えてあげてほしい」と訴える。

病名知らずに20年「正しい知識広めて」

中学生の時に軟調になった神奈川県の行政書士の女性(36)は、「ムンプス難聴」という病名を最近知った。

きっかけは「ムンプス難聴のお部屋」というサイトを見つけたことだ。

「自分は中学生でかかったから、運悪く難聴になったと思い込んでいたけど、子どもでもなると知って驚きました。」

おたふく風邪は当時小学生だった妹からうつった。

発熱とともに耳下腺が腫れ、内科医を受診した時に「耳がおかしい」と訴えたが、「治れば自然とよくなるから」と言われた。

左耳が聞こえないのに気づいたのは一週間後。

大学病院に入院して治療を受けたが、改善しなかった。

その時、看護師から「おたふく風邪で難聴になる人は実は結構多いのよ」と言われたのが忘れられない。

その後、大学に進み、運転免許や行政書士の資格も取ったが、「最初の内科医がなせ気づいてくれなかったのかという思いが残る。」という。

「サイトを見ていると、20年以上経った今でも状況は変わっていないと思う。

医師を含めて正確な知識がもっと広まってほしい。」と話す。

治療法なく予防はワクチンのみ

1000人に1人がおたふく風邪のムンプス難聴が原因で片耳難聴に

ムンプス難聴は、おたふく風邪ウイルスが内耳に入って炎症を起こしてなる。

多くは片耳で、大人だとめまいや吐き気を伴うことが多い。

従来は1.5~2万人に一人と考えられてきたが、01年、全国調査をした厚生労働省研究班が「3500人に一人」との推計を出した。

近畿地方の小児科グループが04~06年に7400人の未成人患者を調べた調査では、「1000人に1人」に当たる7人で難聴が見つかっている。

厚労省の研究班長を務めた喜多村健・東京医科歯科大教授は「おたふく風邪が無症状の場合でも難聴は起きる。突発性難聴と診断されたケースの中にもムンプス難聴が含まれている」。

子どもの場合、自覚症状に乏しく、片耳は聞こえるため、学校の聴力検査で見つからないこともある。

治療について、東京厚生年金病院の石井正則耳鼻咽喉科部長は「ステロイド薬や血管拡張剤などで以前は治療を試みたが、効果はなかった。

残念ながら、現状では、早期に治療をしても効果は期待できないと考えたほうがいい」と話す。

おたふく風邪は季節に関係なく流行する。

唯一できる予防法はワクチン接種。

1歳から受けることができるが、予防接種方に定められた定期摂取ではなく、医療機関に希望して、自費で受ける必要がある。

石井さんは「大人でも、おたふく風邪にかかった記憶がなければ、おたふく風邪の抗体を調べる血液検査を勧めます。

抗体が検出されなければ、ワクチン接種をすべきです」と話している。

出典)朝日新聞(2007年12月28日)

最後に一言

今回は、1000人に1人がおたふく風邪のムンプス難聴が原因で片耳難聴になるということについて朝日新聞で掲載されていた記事を紹介しました。

私は生まれつきか、または子供の頃に片耳難聴になり、小学生3年生の頃からは回転性のめまいで4年間ほど苦しんだことがあります。

難聴になった時期とめまいの発症の時期がずれているため、私のこの原因不明の片耳難聴がこの「ムンプス難聴」であるのかどうかは、わかりません。

でも、ここで記載されている「片耳難聴」、「ぐるぐる回るめまい」は私が経験してきた体験と酷似しています。

ムンプス難聴という言葉を知らなければ、難聴の原因がおたふく風邪にあったなんて考えに至ることはないので、この記事を掲載しました。

この記事が少しでもあなた、またはあなたの周りにいる片耳難聴者の役に立てば幸いです。

それでは!

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